会社へ無断のアルバイトは処罰できる?

弊社に勤める女性社員が勤務終了後にクラブで接客のアルバイトをしていていましたが、先日それが会社に見つかりました。会社としては、当該女性社を厳罰に処する予定ですが、何か問題があるでしょうか?
アルバイトなどの兼業を理由とした懲戒処分が正当かどうかは、企業が 就業規則に兼業禁止を定めていて、その規則を適用することに合理性が あるかどうかで決まります。 アルバイトによる疲労のために会社の本業に従事することが著しく困難 になるような場合は、兼業禁止を適用される可能性があります。 また、会社の評判を損なうような内容のアルバイトをしている場合 などにも、適用事由になりうるといえます。 裁判例の中には、就業時間後の午後6時から午前0時までキャバレーで 働いていた女性社員を解雇したことについて、社員の兼業の可否に ついて会社の承諾を得る必要があると定めた就業規則の適用は権利の 濫用に当たらないとしたものがあります(1982年東京地裁)。 このように、会社に無断でアルバイトをしていることも問題になります。 「アルバイトをする場合は、会社の承諾を得ることが必要である」 といった就業規則がある場合、無断で就業すると手続違反として懲戒事由 になる可能性もあるでしょう。  また、会社がそれまで違反行為に厳しく対処してきたかどうかも ポイントになります。会社や社外での行動に厳しく対処してこなかった 会社が、急に特定の人を対象に懲罰を科すことは妥当ではないという見方 もできます。 会社側が日常的に研修などを通じて就業規則の徹底を図っており、 違反者には公平に処分を下していたのであれば、社員が反論するのは 難しいでしょう。 (2010年11月)