各種手当 扶養手当

当社は、生活補助的な意味合いから、家族手当を被扶養配偶者に限定して支給してきましたが、”A社員は、配偶者に収入があるにも拘らず、会社に届出をせず家族手当を受け続けてきた”ので、遡ってその手当を返還させようと思います賀が、法的に問題はないでしょうか?
以下の通り考えられます。
①先ず、当該会社の「就業規則」の規定に「家族手当を受けることができる配偶者」について、”被扶養配偶者に限定する”旨の規定がなければ、その社員は返還する必要はありません。又、「就業規則」に定めてあったとしても十分な周知がされていない場合も、上記同様社員に返還の必要はないとされています。 そもそも家族手当というものは、あくまでも会社が任意に定めることができるものですから、家族手当を受けることのできる者について、一定の要件が定められていないとすれば、例え配偶者の収入が多くても支給しないといけないということになります。
②但し、就業規則等で明確に規定され、それが社員に十分周知されている場合、又明確な規定はないものの、”配偶者が仕事を始めた場合は会社に報告すること”、若しくは”収入が一定以上になったら報告すること”等が職場で慣行的に行われている場合等は、返還請求は可能でしょう。然し、その場合も返還請求は可能ですが、返還義務が労働者側に発生するか否かは、裁判上の判断になるようです。 何れにしましても、家族手当等諸手当の支給要件は明確に「就業規則」に規定し、且つその要件を社員に十分周知徹底させておくことが トラブル防止にための前提条件と思われます。