Q&A

会社への貢献度を評価する退職金制度は?

  • 当社の現在の退職金制度は、退職時の給与に比例して支給する方式ですが、 これでは、社員の会社貢献度に必ずしも対応していなくて変えようと思っています。 しかし、当社は等級制度を導入していないので、「ポイント制」の導入は無理と思っています。何か良い制度はありませんか?
  •   等級制度が整備されていない企業にも、退職金の多寡に会社への 貢献度を反映させる制度があります。 それが、「累計給与比例方式」です。 会社への貢献度を反映させることができる退職金制度として, 代表的なものにポイント制退職金制度があります。 しかし,ポイントの決定基準に等級を使用する場合,職能・資格の 等級制度が整備され,かつ,適正に運営されている必要があります。 つまり,等級制度がない会社や,等級制度が適切に運用されていない 会社では等級以外の退職金額決定基準を採用しなければなりませんが, 現実的には代わる基準の選択肢は狭まるため,ポイント制退職金制度 を設計・運用することは困難なのです。

    小規模企業の場合,等級制度がない企業や適切に運用されていない
    会社はたくさんあります。
    こうした会社では,累計給与比例方式を導入することによって
    会社貢献型退職金制度を構築することができます。
    この制度は,等級制度をはじめとした人事制度がない企業で
    あっても,退職金に貢献度を反映できるという優れもので,
    小規模企業向けの制度と言えます。

    この制度は,毎年の退職金算定用の基準給与を累積して
    いく退職金計算方法です。
    【累計給与比例方式の計算式(例)】
    ○(基準給与×係数)の累計×退職事由別乗率=退職金額

    具体的には,基本給をベースに能力給や資格給等を加味して
    決定した基準給与,
    つまり,業績要素が入った給与に退職金額の水準調整のため
    の係数を掛けたものを累計し,更には退職事由別乗率を
    掛けて退職金額を算出します。
    能力給の差はそのまま会社への貢献度の差ということに
    なるので,累計給与比例方式は貢献要素を退職金に反映
    させているということになります。
    累計給与比例方式の最大のメリットは,等級制度が整備されて
    いない企業でも,積算方式の退職金制度が策定できるという
    点です。

    留意点は,給与に連動した制度であるため,給与体系を
    見直した際には連動する退職金額を検証し、係数を見直すか
    否か等の検討を行う必要があることです。
    従って、給与体系を頻繁に変更するような企業には向きません。
    また,従業員ごとの累計給与を長年にわたり管理する必要も
    あります。

    また,ポイント制退職金制度導入と同様,他社の制度をそのまま
    使用することは避けるべきです。
    各社によって従業員の平均年齢や平均勤続年数は異なりますし,
    そもそも給与体系が違います。導入の際は退職金額の
    シミュレーション等を行い十分に検証したうえで実施することが
    肝要です。必要ある場合は、弊事務所にご相談下さい。
    (2012年8月28日)