「カトク」ってどんな意味?

最近、「カトク」という言場を耳しましたが、どんな意味なんでしょうか?
「カトク」は、今年4月に厚生労働省が東京・大阪の 2労働局に設置した、「過重労働撲滅特別対策班」の 通称です。 7月2日に靴販売チェーン「ABCマート」運営会社と 同社の労務担当取締役、店長2人が、都内2店舗で 違法残業をさせたとして書類送検され、注目されて います。 配属された労働基準監督官は東京7名、大阪6名で、 東京の7名は経験10年以上のベテラン揃い、 パソコンに保存された労働時間に関するデータの 改ざん・削除といったケースでも対応できるよう、 証拠収集技術「デジタル・フォレンジック」に詳しい メンバーもいるそうです。 同省が2014年11月にブラック企業の疑いがある 4,561事業所を調査したところ、2,304事業所で 違法残業が発覚しました。 「カトク」は、この結果を受け監督指導・捜査体制 強化のため新設されました。 従来との違いは、各別に労働基準監督署が管轄内 の違法残業に対応するのではなく、管轄エリアを 越えて連携して対応する点にあると言われています。
5月15日、同省は、違法残業が複数事業所で行われ
ている場合に、書類送検前の是正勧告とともに企業名
を公表すると発表しました。
これも情報共有化により実現したスピード対応の表れ
と言えるでしょう。
ABCマートの事件では、池袋店では
三六協定未届けで従業員2人にそれぞれ月97時間・
112時間の残業を行わせた疑いが、原宿店では
三六協定で定めた「月79時間」を超えて従業員2人
にそれぞれ月98時間・112時間の残業をさせた疑い
が持たれています。
また、東京労働局監督課課長は、テレビのインタビューに
「指導を繰り返してもなかなか是正に至らない」、「特に
月100時間を超える長時間労働を問題視した」と、
答えています。
上記の企業名公表は、
① 月残業時間が100時間超、
② 1事業所で10人以上あるいは4分の1以上の
労働者が違法残業、
③ 1年程度の間に3以上の事業所で違法残業、
などに該当する企業が対象とされています。
自社においても、三六協定の締結・届出が適正に
なされているか、限度時間は守られているか等、
改めて確認しておくことをお勧めします。