若手対象の再雇用制度とは?

人材不足問題の解決策として、一度退職した社員を『出戻り』で再雇用する、「若手・中堅向け再雇用制度」を導入する企業が増えているとのことですが、どういう制度ですか?
この制度には、採用コストが少なく済む、人となりが
わかっているため安心して採用できる、業務経験が
あるため即戦力として働いてもらえるなど、効率的
に人材確保を行ううえで数多くのメリットがあります。
もともとは結婚・出産・育児・介護等で離職せざるを
得ない女性のための制度として導入していた企業
が多かったのですが、近時の採用難を受けて、
門戸を広げ、人材確保のための手法として導入
するところが増えてきました。
 ひとくちに「再雇用制度」と言っても、対象社員
(勤務年数や経験業務、退職後の年数に条件を
付けるなど)、制度を利用できる退職理由
(出産・育児・介護や配偶者の転勤などやむを
得ないものに限るなど)等、その内容は企業に
よって様々です。
戻ってほしいターゲット人材に合わせて制度を
構築することが可能であることも、本制度の
メリットの1つと言えるでしょう。
 メリットも多い再雇用制度ですが、制度を
構築・運用するうえでの注意点もあります。
再雇用制度において特に問題となりやすい
のは、再雇用した社員と退職せずに働き
続けている社員との処遇です。
どのようなポジションで迎えるのか、給与の
設定をどうするのか、また将来的には、昇進
昇格時に他社で働いていた期間をどのように
評価するのかといった点の検討が欠かせません。
納得感が得られなかったり不公平感が
残ってしまったりすると、トラブルの原因とも
なりますので、バランスに配慮した制度設計
をすることが求められます。
(2016年4月26日)