職場のトラブル相談

個別労働紛争解決制度とは、職場の労使トラブル当事者が利用できる、
3つのトラブル解決方法(①労働相談、②助言・指導、③あっせん)のこと
を指しますが、①の労働相談は全国の労基署にある総合労働相談コーナー
で受け付けており、②助言・指導は労働局長によるもの、③あっせんは
紛争調整委員会によるものとなります。
これら制度は、主に労働者側からの利用になりますが、使用者側からの
利用も可能で、費用は無料です。
個別労働紛争解決制度によると、訴訟による方法よりもトラブル解決までの
期間が短いという傾向があり、これは労使双方にとってメリットです。
また、訴訟によるよりも解決のための費用が安く収まるのは、会社にとって
メリットです。
トラブルは、大事(おおごと)になる前に対処するのが大切です。
厚生労働省のまとめた令和元年度の状況では、「労働相談」
(総合労働相談)件数は、12年連続で100万件を超えて、高止ま
りしています。
このうち、労働条件その他の労働関係に関する事項のトラブル相談
(労働基準法違反の疑いがある内容以外の民事上の個別労働紛争
相談)は約28万件となっています。
そして近年、「民事上の個別労働紛争相談」、「助言・指導」、
「あっせん」のいずれについても、「いじめ・嫌がらせ」に関する内容が、
過去6年以上、相談件数のトップとなっていることが特徴となっています。
こうした情勢を背景に、職場のパワハラが問題となっており、今年6月には
パワハラ防止法(労働施策総合推進法)が施行され、企業にはパワハラを
防止するための措置(就業規則や服務規律への企業方針の明確化記載、
相談窓口の設置、研修の実施、当事者のプライバシー保護等)が
義務付けられました。中小企業については、2022年3月31日までの努力
義務期間を設けたうえで、2022年4月1日から適用されます。
「あの会社でパワハラを受けた」といったことが、口コミやSNS等で
広まってしまうと(その真偽はさておき)、企業にとっては人材採用や
経営の面で悪影響があります。労使トラブルは小さいうちに解決する
のが鉄則です。
困ったことがあれば、弊社にご相談下さい。

(2020年7月29日)

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