日本版401kあれこれ その2

(2)運営管理機関 「日本版401k」加入者の資産残高の管理等同制度運営上中枢の機能を担う必須の機関に 「運営管理機関」があります。確定拠出年金の「運営管理業務受託」に関しては、大手金融機関5社が加入者ベースで8割(100人)を占め、寡占状態となっているのが実態です。このような状況下、中小の金融機関は苦戦を強いられ、撤退するところが出てきました。「運営管理業務」は最低でも数万人規模の加入者がいないと採算が合わないとされますが、その中で、INGプリンシパル・ペンションズや新光証券などが撤退を表明、生き残り競争が激しさを増しているのを裏付けました。厚生労働省に運営管理機関として登録している企業は700社ありますが、このうち実際に業務を受託しているのは100社未満です。今回のINGプリンシパル・ペンションズ等の撤退の件で、運営管理機関の存立基盤は危ういことが明確になりました。最終的に生き残るのは上位4~5社ではないかとも云われていますが、こうした生き残り戦争のツケを払うのは企業と加入者となります。採用した運営管理機関がその業務から撤退した場合には、導入した会社は契約先を選び直さなくてはならず、加入者は運用商品の現金化を迫られます。商品によっては中途解約で、元本割れするものも当然あるでしょう。だから企業が「運営管理機関」を選ぶ際は、コストやサービス内容だけでなく、確定拠出ビジネスに対する決意や覚悟までも見極めて、労使協議をつくして、慎重に行う必要があるのです。また、導入後も業務運営に対する評価を厳しく行うことも、制度の健全な運営に不可欠でしょう。
(05/09)