年金・医療制度とも赤字続き

厚生労働省は、自営業者などが加入する国民年金とサラリーマンが
加入する厚生年金、また、主に中小企業のサラリーマンが加入する
「協会けんぽ」の2008年度の決算を発表しました。 
それによると、国民年金・厚生年金とも運用損が響き過去最大の赤字幅
となっており、赤字額は、国民年金が1兆1,216億円、厚生年金が
10兆1,795億円にも及んだそうです。

国民年金は3年連続の赤字、厚生年金は2年連続の赤字です。
その主な原因は、リーマンショック等により国内外の株式市場が
大幅に下落したことに加え、為替市場で急速に円高に進んだことにより、

運用損失が大きく膨らんだためです。
これらの結果が、すぐに年金給付に影響を及ぼすということは、当面は
ないと思われますが、このまま今後も運用の低迷が続くようであれば、
現行制度の見直しが迫られる事態に陥ることもなしとはしないでしょう。
また、協会けんぽ(旧政管健保)は、収支が2,538億円の赤字となりました。
単年度赤字は2年連続で、赤字幅も拡大しました。失業が増えたことによる
加入者の減少だけでなく、保険料計算のベースとなる給与や所得の水準が
下がったことによる収入の減少も影響しています。
支出については、高齢化に伴う医療費増が影響しています。

協会けんぽでは、今年9月から、保険料率が全国一律のものから
都道府県ごとに個別に決められることになり、収支の結果が益々
加入者に影響を及ぼす事になりそうです。