「受動喫煙防止対策」の義務化

厚生労働省では、昨年7月に「職場における受動喫煙防止対策に
関する検討会」を立ち上げ、今年5月にその検討会が報告書を
まとめました。
今後、この報告書をベースに、労働安全衛生法の改正案が国会で
審議される予定となっています。
この改正案が成立した場合、飲食業・サービス業などにとっては
大きな負担が強いられることとなりそうです。
職場における受動喫煙防止対策については、平成4年以降、
「労働安全衛生法」に定められた快適職場形成の一環として
進められました。その後、平成15年に「健康増進法」が施行され、
平成17年2月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が
発効するなど、受動喫煙を取り巻く環境は大きく変化しています。
また、健康志向の強まりや受動喫煙の有害性に関する知識の普及
などから、職場における受動喫煙に対する労働者の意識も高まり
つつあります。
このような環境の変化から、現在、企業に対して強く
「受動喫煙防止対策」を求める流れになっています。
そして、職場における受動喫煙防止について、従来の「快適職場形成
のため」から「労働者の健康障害防止のため」という観点に切り替え、
職場における受動喫煙防止を事業主の「義務(罰則付き)」とする
法改正が予定されているのです。
今後のあり方として、事務所、工場等では「全面禁煙」「喫煙室を
設けそれ以外を禁煙」とすることが求められ、飲食店、ホテル・旅館
等においては、原則として「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」
とすることが必要とされ、それが困難な場合は喫煙区域の割合を少なくし、
喫煙区域からの煙の漏れを防ぎ、換気等を行うように求められる方向です。

多くの企業に影響を与えることとなりそうな法改正のため、今後の
改正案の審議状況が気になるところです。
(2010年11月)