「労働者派遣法」の大改正

1月29日付けの日本経済新聞では労働者派遣法改正の
記事が一面トップを飾っていましたが、その具体的内容
である報告書の内容が公開されました。
労働政策審議会は、昨年8月から職業安定分科会労働力
需給制度部会において、13回にわたり議論を重ね、本年1月、
厚生労働大臣に対して労働者派遣制度の改正について建議
を行いました。
報告書はこの建議に添付されているものですが、これまでの
人材派遣制度を根幹から変える非常に重要な内容となって
います。
今回の建議では、登録型派遣・製造業務派遣の継続、
専門26業務の区分の廃止などが盛り込まれていますが、
最も影響が大きい改正内容は、派遣受入れの期間制限の
見直しです。従来は原則として同一の業務について
最長3年までしか派遣を受け入れることができませんで
したが、これを見直し、以下の方向性が示されています。
①個人単位の期間制限の導入
 同一の業務ではなく、同一の派遣労働者について最長3年
まで派遣を受け入れることができるようにする。
②派遣先における期間制限の緩和
 派遣先は、同一の事業所におい3年を超えて継続して
派遣労働者を受け入れてはならないものとするが、
派遣先が派遣労働者の受入開始から3年を経過する
ときまでに、当該事業所における過半数労働組合
(過半数労働組合がない場合には民主的な手続により
選出された過半数代表者)から意見を聴取した場合には、
さらに3年間派遣労働者を受け入れることができるもの
とする。その後さらに3年が経過したときも同様とする。
つまり、過半数労働組合の意見聴取さえ行えば、3年毎
に人は変われど、継続的に派遣労働者の受け入れを
行うことができるという内容となっています。

厚生労働省は、この建議の内容を踏まえ、平成26年
通常国会への法案提出に向け、法案要綱を作成し、
労働政策審議会に諮問する予定としていますが、
企業の人材調達にも大きな影響がある内容ですので、
今後の動向については注目する要があるでしょう。

弊社でも引き続き本件をフォローし、必要に応じて
ご報告申し上げて行きます。

(2014年3月1日)