雇用対策法・パートタイム労働法の改正法案

厚生労働省は、今期通常国会に雇用対策法、パートタイム労働法の各改正法案を
提出する予定です。
それぞれの内容は以下の通りです。

①雇用対策法
法の目的に「働く希望を持つすべての人の就業促進」が追加され、
同法4条1項において、若者、女性、高齢者、障害者等の就業促進や
地域雇用対策について、
様々な施策の充実を図ることを国の重要な施策として位置付ける方針です。

また、外国人労働者については、事業主の努力義務に外国人労働者の
雇用管理の改善及び再就職の促進を加えるとともに、公共職業安定所への
外国人雇用状況報告制度の義務化を規定します。

②パートタイム労働法
今回の改正は、従来の労働条件の明示、均衡処遇の確保、通常の労働者
への転換等の対策をさらに進めるものです。

具体的な方向として、労働条件の明示については、労働基準法において
義務付けられている事項に加え、昇給、賞与、退職金の有無を明示した文書の
交付を義務付けます。

また、助言・指導・勧告をしても履行しない事業主には、過料(科料:軽い罪を
犯した者に刑罰として払わせるお金。
➝過料:行政上、法令に違反した者に払わせるお金)を新設する考えです。

通常労働者との均衡ある待遇の確保については、通常の労働者と職務、
職業生活を通じた人材活用の仕組み、運用等および就業の実態が同じである
パートタイム労働者に対しては、パートタイム労働者であることを理由として
差別的取り扱いをすることを禁止します。

また、賃金は、職務、意欲、能力、経験、成果等を勘案して決めることを努力
義務化し、賃金決定方法についても、通常労働者と共通にすることを努力義務
とします。

その他、教育訓練の実施と福利厚生の利用機会も与えなければいけないこととし、
通常労働者への転換の推進に向けた措置も講じなければならないこととされます。
このように、雇用主の義務が従来より強化されますので、注意が必要です。