「勤務間インターバル制度」

  現在、国を挙げて“働き方改革”に取り組もうという動き
にありますが、特に長時間労働の是正は待ったなしの
問題だと言えます。
今年6月に閣議決定された『ニッポン一億総活躍プラン』
においても、「『睡眠時間が少ないことを自慢し、超多忙
なことが生産的だ』といった価値観が、この3年間で
変わり始めている。長時間労働の是正は、労働の質を
高めることにより、多様なライフスタイルを可能にし、
ひいては生産性の向上につながる。
今こそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していく
ことが重要である」とされています。
 そんな中、長時間労働を是正する手段の1つとして
注目されているのが、「勤務間インターバル制度」です。
この制度は、その日の勤務終了時から翌日の
勤務開始時までに、一定時間(インターバル)を設ける
ことにより、強制的に休息時間を確保するものであり、
EU諸国では「24時間につき最低連続11時間の休息時間」
が義務化されています。
日本でもこの制度を導入しようとする動きがあり、自民党
の「働き方改革に関する特命委員会」は、今年中に
まとめる予定の中間報告に「勤務間インターバル」の
導入を進めるための環境整備に取り組むことを明記
する方針を示しています。

 また、厚生労働省からは、「勤務間インターバル」を
導入した中小企業に対して助成金を支給する方針
が発表されています(平成29年度からの予定)。
助成の対象となるのは、「就業規則等の作成・変更費用、
研修費用、労務管理用機器等の導入・更新費用等」
であり、助成率は費用の4分の3(上限50万円)と
なっています
 その他、導入事例集の作成や各種広報等により
幅広く制度の周知を図る方針も示しており、今後
ますます注目が集まりそうです。

(平成28年12月29日)