ハラスメントの実態と規制の動き

 近年職場における様々なハラスメントが取り沙汰
されており、その防止策や対応策が検討されています。
日本労働組合総連合会(連合)が、職場やプライベート
におけるハラスメントと暴力に関する実態を把握する
ために実施した「ハラスメントと暴力に関する実態調査」
(対象:全国の18歳~69歳の有職男女1,000名)によると、
職場でハラスメントを受けた・見聞きしたことがある人は
5割超となっているそうです。
まだ未だハラスメントが、減っていない現状が読み取れます。
同調査では、職場で受けた、または見聞きしたハラスメントを
聞いたところ、「『パワハラ』などの職場のいじめ・嫌がらせ」が
45.0%、「セクシュアルハラスメント」が41.4%、
「ジェンダーハラスメント」(性別役割分担意識を強調する
ハラスメント)が25.4%、
「マタニティハラスメント」(妊娠・出産に関連するもの)が
21.4%、「ケアハラスメント」(育児・介護をする人に対する
ハラスメント)が19.8%などとなっています。

  パワハラやセクハラ以外にもハラスメントの類型は
多様化しており、職場には様々なタイプのハラスメント
が存在していることがわかります。
また、ハラスメントを誰から受けていたか聞いたところ、
いずれのハラスメントでも「上司や先輩」の割合が
最も高くなっていました。更にハラスメントを受けた
ものの「誰にも相談しなかった」人が4割強となっており、
ハラスメント被害を相談しても、半数近くが「親身に
聞いてもらえたが具体的な対応に進まなかった」と
答えていたそうです。社内の相談・対応体制の効果的
な仕組み作りが求められています。
●パワハラ規制の動き
現在、厚生労働省の職場のパワーハラスメント防止
対策についての検討会は、パワハラ防止の対応策
として、①「加害者への制裁」、②「事業主が
パワハラ防止配慮義務を負うことの明確化」、
③「事業主へのパワハラ予防措置・事後措置の
義務付け」、④「事業主の自主的な対応を促す」
の4つの例を示しています。

  ハラスメントに対する規制強化の動きを睨みつつ、
職場のハラスメント対策に一層の力を入れて
いきたいところです。

(2017年12月28日)