年金資産運用の巧拙 

2006年度の確定拠出年金の想定(予定運用)利回りの
平均値:2.21%に対して、実際の運用利回りは平均値3.36%であったそうです。
これを運営管理機関別(回答が一定以上になった運営管理機関7社)に集計し、
リスク性資産の組み入れ割合と対比させた結果も報告されています。それによると、 平均利回りが高かったのが某コンサルティングの契約先企業で6.24%、 ついで某銀行の契約先で5.73%であったとのことです。

そして、両社の契約先企業が回答した「運用資産に占めるリスク資産の割合」の
平均値は50%を超え、他社契約先の平均割合を上回っていました。
一方、平均利回りが低かったのは某社の1.71%、某保険の1.93%などで、
国内株投信や外貨建て投信などリスク商品のラインアップが他社より低いという、
品揃えが利回りに影響したようです。

他方、確定拠出年金の運用者の商品選択は、国内外の株式や債券の
いずれかで運用する投資信託の採用率は95%に達し、投信の採用志向は
前回調査より強まっているとの調査結果です。
反対に、預貯金と生命保険・損害保険商品の採用率は減っているそうです。

勿論、この調査結果が全ての確定拠出年金採用企業に当てはまるとは
云えませんが、社員に対する「投資教育」を活発に行っている企業ほどリスク商品
の採用率が高いことは間違いないようです。

この確定拠出年金の運用成績以上に注目されるのが、プロが運用を受託
している確定給付型の企業年金の運用成績です。
中には、“本当にプロ?”と疑うような成績しか残せない運用機関もあるようです。
この問題に対処していくためには、運用を任せる企業側も委託機関の成績には
十分な注意を払い、不満足な場合は、選手交替をするという心構えが必要に
なっているようです。