労使トラブルに「合同労組」

近年、労使トラブルに「合同労組」「ユニオン」などと呼ばれる
団体が関与するケースが増えていると言われていますが、そのこと
がデータ上からも明らかになりました。
先日、中央労働員会から、「平成22年 全国の労使紛争取扱件数
まとめ」が発表されましたが、「合同労組」が関与した集団的労使
紛争事件の割合が69.8%(前年比3.1%増)となり、過去最高となった
ことがわかりました。

この「合同労組」には、“柔軟路線”をとる組合、イデオロギー性
の強い“労使対立路線”をとる組合など、その性格は様々です。
また、“労使対立路線”の組合の中にあっても、冷静に落としどころ
を考える組合もあれば、逆にあまり考えない組合もあるようです。
さらに、組合の交渉担当者によって会社への対応が変わってくる
ケースもあります。
また最近では、小規模な「地域労組」(コミュニティ・ユニオン)と
言われる団体も増加しており、組合としての統制が本当にとれている
のか、疑問の生じるケースもあるようです。
労働者が、労使トラブルの解決のため合同労組に加入し、その合同
労組が使用者に団体交渉を申し入れてくる例も多くあります。
先ほどの中央労働委員会のまとめでは、懲戒や解雇などの処分を
受けた後に労働者が加入した組合から調整の申請があった「駆け込み
訴え事件」の占める割合は36.8%(前年比横ばい)で、過去最高と
なっています。
これら「合同労組」「ユニオン」などから団体交渉の申入れが
なされた場合、初めにとるべき対応が重要となります。
安易に団体交渉の申入れに応じてはいけませんし、組合側が求めて
くる「労働協約」の締結要求にも注意が必要です。
団体交渉の申入れがあった場合には、私ども専門家に相談する等
しながら、しっかりと事前準備を行うことが重要です。
(11年8月1日)