定年後の再雇用

 定年後の再雇用(継続雇用)をめぐるトラブルが
増えているようです。
トラブルの内容は「再雇用基準の有効性」「再雇用の有無」
「再雇用の更新基準」「再雇用後の雇止め」など、多岐に
わたっています。

2006年に施行された「改正高年齢者雇用安定法」では、
従業員の65歳までの雇用確保措置について、①定年制の廃止、
②定年年齢の引上げ、③継続雇用制度の導入のいずれかを
義務化しました。
そして多くの企業では、③の継続雇用制度のうち「再雇用制度」
の導入を選択しているのが実状です。
上記の通り、「再雇用基準の有効性」「再雇用の有無」
「再雇用の更新基準」「再雇用後の雇止め」をめぐる訴訟事案が
増えていますが、これら事案に対し、裁判所は労働者側に有利な
判決を相次いで出しています。
2009年2月、再雇用制度の導入に必要な労使協定が存在しなかった
ことなどから、「制度導入を定める就業規則は手続要件を欠いて
おり無効」と判断され、労働者としての地位が確認され、賃金の
支払いが会社側に命じられたケースがありました(横浜地裁川崎支部)。
20093月には、会社側の一方的な再雇用の拒否が違法であると判断され、
会社側に550万円の支払いが命じられています(札幌地裁)。

再雇用制度を導入する場合、法律に違反するものと判断されないよう
十分な注意を払うことは当然ですが、それとともに再雇用する高年齢者
のモチベーションアップのために制度設計・賃金設計や環境づくりに
意を用いることが肝要です。

{2011年10月)