「改正高年法」施行目前!

平成25年の春闘がスタートし、ローソンが2013年度から
20代後半~40代の社員の年収を平均3%(平均約15万円)
引き上げることを発表したり、先頃行われた政府と経済3団体トップ
との会談で、安倍首相から、デフレ脱却に向けて業績が改善した企業
から賃金を引き上げるよう要請が出たり、賃金をめぐる動きが
活発化しています。
公益財団法人日本生産性本部が2012年10月~11月にかけて実施した
「第13回日本的雇用・人事の変容に関する調査」によると、
年齢や勤続年数に応じた定昇がある賃金カーブの設計となっている
企業は過半数(55.2%)を占めているものの、
「定期昇給はない」という企業も約4割(39.6%)となったことが
わかりました。
定昇制度の導入率を過去の調査と比較すると、2000年が87.3%、
2004年が62.2%となっており、徐々に導入率は低下しています。
定昇制度がある企業での今後の定昇制度の取扱いについては、
「現状のまま」が42.4%となった一方で、「定期昇給によって
上がる水準を抑制したい」が25.9%、「一定年齢までは定昇は
やむを得ないが、もう少し早めの年齢で止めたい」が21.2%
となり、合計で47.1%は、見直しを考えていることが
わかりました。
企業規模が5,000人以上になると「現状のまま」という企業は
12.5%まで減少し、「定期昇給によって上がる水準を抑制したい」
が37.5%、「一定年齢までは定昇はやむを得ないがもう少し早めの
年齢で止めたい」が25.0%で、合計62.5%となり、さらにその傾向
が強まっていることがわかります。
基本給に採り入れられている賃金体系を見ると、管理職層では、
役割や職責あるいは職務の価値を反映させる「役割・職務給」の
導入率が79.2%と高く、職務遂行能力の高さを反映させる「職能給」
の導入率については、やや下がって65.6%となっています。
また、年齢や勤続年数を反映させる「年齢・勤続給」については、
22.7%となっています。
非管理職層についても同様の傾向がみられますが、どちらに
関しても言えることは、「年齢・勤続給」は、調査開始から下がり
続けているという事です。
4月からの「改正高年齢者雇用安定法」の施行による65歳までの
雇用義務化に伴い、再雇用者の賃金の水準を引き下げることを
検討する企業が増えることも予想され、賃金をめぐる動きは益々
目まぐるしくなりそうです。

(2013年3月8日)