常用労働者の数え方

最近は、多くの企業で不況対策としてのリストラが行われており、
事業所単位での社員の人数もかなり増減しているところもあるのでは
ないでしょうか。
このような情勢下、衛生管理者の選任など事業所の安全衛生管理体制を
構築していく上では、事業所の労働者の人数がポイントとなるため、
人数を定期的にチェックしておくことが望まれます。
特に、派遣社員を受け入れている場合の安全衛生管理体制の構築については
注意する必要があります。 
法令により求められる安全衛生管理体制は、事業所の業種や労働者の人数に
よって異なりますが、主なものとしては、総括安全衛生管理者、安全管理者、
衛生管理者、産業医の選任が挙げられます。
特に衛生管理者については、業種にかかわらず常時使用する労働者の
人数が50人以上であれば、選任することが義務づけられています。
ここで問題になるのが、「常時使用する労働者の人数」の定義ですが、
これについては通達が出されており、日雇労働者、パートタイマー等も含めて、
常態として使用する労働者の人数を指しています。
つまり、正社員だけでなく、その事業所で働くパートやアルバイトも含めて、
常用労働者数をカウントする必要があります。
そのため、会社としては企業単位ではなく、本社や営業所ごとに労働者の
人数を把握して、それにあった安全衛生管理体制を構築することが
求められています。(ただし、一般健康診断を行わなければならない労働者は
「同種の業務に従事する通常勤務者の1週間の所定労働時間の3/4以上
勤務する者」で「1年以上使用されているか使用されることが予定されているもの」
となっています。ややこしいですね)。
また近年においては、過重労働やメンタルヘルスへの対策として使用者の
対応責任が高まり、それに伴って衛生管理者に求められる役割が重大なもの
になっています。また、労働基準監督署が行う定期監督においても、
衛生委員会の開催など安全衛生管理体制が適切に守られているのかと
いった点を重視するようになっています。
そのため、企業としては法で定められた人数を満たす衛生管理者が
選任されているのかチェックし、足りないようであれば早急に対応することが
求められます。