飲酒 労災適用

当社社員が、先般勤務先から通常の経路で帰宅途中、飲酒したことが原因で土手から転げ落ちて負傷しました。この場合、労災保険法に基づいて療養給付・休業給付の保険金請求はできないでしょうか?
以下の通り考えられます。
本件の場合は、通勤の経路上において、通勤とはなんら関係のない飲酒行為を行なったもので、これにより通勤のための往復を中断し、その後に災害にあったと解されます。従って、その中断について労災保険法7条3項但書(日用品の購入、職業能力開発のための受講、選挙権の行使、病院での診療等日常生活上必要な行為であり、やむを得ない事由により行なうための最小限度のもの)の該当事由があることを認める事情が特に認められない限り、同条3項本文により「通勤」とはされないということになり、労災保険の請求はできないということになるでしょう。