月給制社員への最低賃金変更は?

当社には、アルバイトやパートなど時給制の社員はいませんので、最低賃金が変更になっても特に問題はないでしょうね?
パートやアルバイトの従業員がいない企業でも、
最低賃金の引上げには要注意です。
月給制の場合でも、「定額残業代制度」をとっている企業に
おいては、基本給+定額残業代等の手当の総額を時間単価
に直した場合、その額が最低賃金を下回ると法違反となり
罰金が科される可能性があります。
さすがにこの基準自体はクリアしている事が多いと思いますが、
定額残業代にはまた別の問題点があるようです。
定額残業代の支払方法には、①手当として支払う方式、
②基本給などに組み込んで支払う方式などがあります。
ここ数年で日常茶飯事となった感のある未払残業代訴訟では、
これらの支払方法によって、会社側の主張が認められにくくなる
場合があります。
①については、就業規則や雇用契約書等に定めがあれば、
裁判でも定額残業代が認められやすい傾向にあります。
しかし②については特に問題が多く、裁判で否定されることも
多いようです。
新たに定額残業代制度を導入しようとする場合、その多くは
労働条件の不利益変更に該当することになります。
その場合は、書面による従業員との明確な合意が必要です。
また、同意を得る前に、従業員に対する説明会や個別面談を
行うなど、導入には周到な準備が必要です。消費税引上げを
見据えて最低賃金引上げの圧力は強いようですので、
この機会に就業規則や雇用契約書などの書式類、
残業管理方法の見直しについて準備をしては如何でしょうか?

(2013年9月27日)