67歳でも雇用保険に入れるの?

私は67歳ですが、今度縁があって新しい会社に入社することになりました。雇用保険にはもう入れないと思っていたら、来年から入れるようになるかもしれないとの話しを聞きましたが、本当ですか?
厚生労働省が、来年度から65歳以上の高齢者も新規で 雇用保険に加入できるようにする方針を固めたそうです。 同省の雇用保険部会が12月にまとめる制度改正の 報告書に盛り込み、来年の通常国会に雇用保険法の 改正案を提出する予定です。 現行の雇用保険制度では、失業したときに、65歳 未満は賃金の45~80%に相当する額を最大360日分 受け取ることができ、65歳以上の場合には最大50日分 の一時金を受け取ることができます。 ただ、65歳以上で転職したり、親会社から関連会社に 転籍したりした場合、雇用保険に入ることができない ため、この給付を受けることができません。 現在、65歳以上の雇用保険加入者は140万~150万人 いると言われ、新規加入を認めることで、転職した人 たちなどとの不公平感を是正しようというものです。 改正後は、雇用保険の加入に年齢制限を設けず、 65歳以上の退職者については「高年齢求職者給付金」 として、65歳前から継続して同じ事業主の下で働いて いた人と同様に、失業前に受け取っていた賃金の 最大50日分を支給します。 ただし、適用には「週の所定労働時間が20時間以上」 「直近1年のうち6カ月以上被保険者であること」と いった条件がつきます。65歳未満の失業給付は 現行のままの方針です。 また、65歳以上については当面、労使が折半で 負担する保険料を免除します。現行の制度でも 64歳を超えた人の雇用保険料は労使とも免除 しており、同様の扱いとなります。 高齢化に伴い65歳以上の求職者は増え続け、 人手不足も背景に、企業も高齢者を受け入れる 環境整備に動いています。2014年度の新規求 職者は46万4,901人で、前年度に比べて10.8% 増え、新規求職者全体の7.8%を占めています。 ただ、今回の対象拡大で安易な受給を増やさない ことも必要で、厚生労働省は給付金を申請する 65歳以上の高齢者が実際に求職活動している かなどの確認を厳しくする方針です。
(2015年12月30日)