随時改定(月額変更)の注意点

社会保険の随時改定についてお伺いします。ある社員は、本年4月に交通費の支給体系を見直ししたため、通勤手当が減ってしまいました。しかしながら、最近繁忙のため残業代が増えたことにより給料自体は増えており、固定的賃金である交通費が減ったにもかかわらず、総額で見ると2等級以上増加しています。この場合、固定的な賃金の変動が2等級以上ではないので随時改定は不必要だと認識していますが、よろしいでしょうか?
結論から言えば、随時改定の必要はありません。しかしながら、誤解もあるようですので、簡単に説明いたします。随時改定は、賃金のうち、固定的賃金の変動 により2等級以上の差を生じたときにとる手続きですが、まず、「固定的賃金が 2等級以上変動」する必要があるというわけではありません。
例えば基本給が500円上がった(固定的な賃金のUP)+時間外手当が増えた=増加後賃金に対応する標準報酬月額と従来の標準報酬月額の乖離幅が2等級以上になれば随時改定を行ないます。 そこで、ご質問のケースは固定的賃金は減少しているにもかかわらず、時間外手当の増加によって給料自体は増加しています。このような固定的賃金の 変動と反対の結果になる場合は「随時改定の対象外」となります。 今回はこのような理由で随時改定の必要はありません。